第 八 回 かし保険 躯体検査 前後 の 工事の 注意点 ・Ⅳ ( 耐力壁 後編 面材耐力壁 )

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かし保険躯体検査時 前後の工事の注意点、
今回は耐力壁のチェックポイント後編として面材耐力壁について確認していきましょう。

面材耐力壁のチェックポイント

面材耐力壁とは

前回木造軸組工法での耐力壁として「筋かい」を取り上げました。
今回は、構造用合板やパーティクルボードなどの面材を使用した「面材耐力壁」について確認していきましょう。
横架材と柱間に張る指定の厚さを持つ面材に、定められた種類の釘を規定のピッチで打ち込むことで、定められた壁倍率を満たす面材耐力壁となります。
面材耐力壁は木造軸組工法、枠組壁工法でそれぞれ規定の壁倍率があります。また、素材も構造用合板以外に構造用パネル等があり、倍率はほぼ同じです。
新築住宅の建築に使用できる耐力壁は次の2種類となっています。

  1. 告示で仕様と倍率が定められた耐力壁
    告示第1100号によるもの(軸組構法住宅で使用可能)
    告示第1541号によるもの(枠組壁工法住宅で使用可能)
  2. 国土交通大臣が仕様と倍率を定めた耐力壁(軸組・枠組壁工法で使用可能)

ここでは主に 1. の耐力壁について、確認していきたいと思います。

面材耐力壁の基準と特徴

【面材耐力壁の基準】
原則として以下のすべての基準を満たさなければならない。
告示1460号もしくはN値計算法のどちらかで定められた補強金物(接合金物)で接合された構造柱間に設置
◎ 幅:柱芯間距離で原則600㎜以上
◎ 高さ(構造階高、横架材上端の距離):幅の5倍以下(H/W≦5.0)

■ 面材耐力壁 概念図

面材耐力壁 概念図

面材耐力壁は上記のような基準があり、原則として告示1460号もしくはN値計算法のどちらかで定められた補強金物(接合金物)で接合された構造柱に設置されていなければなりません。(詳しくはこちらをもう一度確認してください。『【施工】虎の巻!第六回 かし保険躯体検査 前後の工事の注意点・Ⅱ間柱間には設置できませんのでご注意ください。
また高さと幅の関係はすべて上記を満たす必要があります。例えばW910㎜の面材耐力壁だと高さは4550㎜以下でなくてはなりません(筋かいの場合:幅900㎜以上かつ高さ≦幅×3.5)。
幅は最低600㎜以上となっていますが、面材耐力壁が連続している場合(間柱で継いでいる場合)、一部600mm未満でもよいとされています。

■ 連続する面材耐力壁の例

連続する面材耐力壁の例
面材耐力壁のチェックポイント【1】
面材耐力壁は原則として間柱間に設置できない
幅600㎜以上かつ高さ≦幅×5.0

筋かいと面材耐力壁

筋かいは両端部の接合箇所で応力を集中させます。対して面材耐力壁は面材外周部を150㎜ピッチの釘で接合し、力を分散させて応力を受けるという考え方になります。
面材耐力壁は筋かいに比べ、ひずみにくく高さを稼ぐことができ、人気の大空間設計にも柔軟に対応できますが、かなりコスト増になるのはデメリットとなります。

■ 筋かいと面材耐力壁の違い

筋かいと面材耐力壁の違い
面材耐力壁のチェックポイント【2】
筋かいと面材耐力壁の特徴を理解する

面材耐力壁と釘

面材耐力壁では、工法・面材別に釘の種類、釘ピッチ、壁倍率が定められています。

軸組工法の例 工法・面材別 釘の種類・ピッチ・壁倍率

軸組工法の例 工法・面材別 釘の種類・ピッチ・壁倍率(大壁・真壁)

釘の施工について

面材耐力壁において、釘は応力を分散させる非常に重要なアイテムです。
釘のめり込み、釘頭の抜けおよび材料の割れなどは、面材耐力壁の強度を著しく損なうことになります。
面材耐力壁の釘の施工状況は、かし保険の検査項目になっています。釘の種類・ピッチは指定通りか、横架材間や柱への打ち損じがないか、しっかり確認しましょう。
打ち損じや規定以上のめりこみがある場合は、面材メーカーの施工要領書に従い打直しなどを行います。

釘の施工ポイント

定められた要素を遵守して施工する
面材に合わせて定められた釘で施工する。
釘ピッチを遵守して施工する
指定釘を使用しても、規定のピッチで施工しないと定められた倍率を得ることができません。
面材との表面段差をゼロにする
エアーハンマー(自動釘打機)を使用する場合は、各釘打機メーカーの最適圧力で行い、面材との段差をゼロ~面材メーカー指定の打ち込み深さ内に収めるようにしてください。

■ 釘のめり込み・ピッチ間違いと増し打ちの事例

面材耐力壁のチェックポイント【3】
たかが釘、されど釘
種類、ピッチ、原則段差0を遵守する