地籍調査とは  日本の地籍調査が実は3割程度しか進んでいない件

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地籍とは

「地籍」というのは、いわば「土地の戸籍」のことです。
地籍というと、土地の登記情報とイコールかな?と考える方が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。なぜなら登記情報とは、「不動産の表示」に関する制度として、国民の権利を守るために土地取引情報の履歴を残すものですが、土地そのものの座標や沿革などの情報を示しているものではないからです。「地籍」はその土地の登記情報に加え、それ以前の土地台帳やまたそれに付随する図面類など土地の沿革に関する情報も示しています。
調査で得られた正確な地図は地籍図として、登記所(法務局)にも送られ、登記情報の記載が修正され、地図が更新されることになります。
また、固定資産税算出の際の基礎情報となるなど、市町村における様々な行政事務の基礎資料として活用されます。地籍は権利の情報だけではなく、土地の略歴も示しており、その土地のすべての情報を表す非常に大切な資料です。

登記:土地取引情報の履歴を示す
地籍:登記情報+土地の図面や沿革情報等の略歴を示す

地籍調査の実際

出展:国土交通省 土地・建設産業局 地籍整備課
『地籍調査はなぜ必要か』

地籍調査は国土調査法に定められる国土調査のひとつですが、明治初期の地租改正事業などの100~150年前の古い調査記録がベースになっていて、実はその後の調査が全く行われていない場所があることを皆様ご存知でしょうか。
確かに電子化された公図はありますが、その内容は、所有者自身による局地的な測量によるもので、経緯度との関連付けもなく、単純に記録をデータ化しただけの場合もあります。
現地とは大きく食い違いが生じたままになっているところがかなり多いので、建設開始前の現地調査時に、公図と現況が合致していなかったご経験もよくあるでしょう。

実際のところ、地籍調査は昭和26年の国土調査法制定以来、全国の市町村の約9割が調査に着手しているものの、60年以上たった今日でも、調査は3割程度しか進んでいません。特に都市部や山林部の調査が遅延しています。
土地の情報がはっきりしていないまま、取引や固定資産税などの課税が行われているなんてちょっと驚くべきことですね。

■ 都道府県別の進捗率 (平成29年度末)

都道府県別の進捗率グラフ
出展:国土交通省 土地・建設産業局 地籍整備課『地籍調査はなぜ必要か』
出展:国土交通省『都市再生街区基本調査及び都市部官民境界基本調査の成果の提供システム』より抜粋
(地籍Webサイト 『公図と現況のずれ公表システム』)

上記は東京都港区西新橋エリアの公図と現況のずれを示したものです。
開発時に時間をかけて調査した六本木ヒルズやミッドタウンエリアは“ずれ”を示す表示はないものの、ほとんどが1m以上10m未満の大きなずれのある地域とされています。東京の一等地でこんなにずれがあるなら、土地の売買価格や固定資産税の乖離はかなり大きいものとなるでしょう。

 公図と現況のずれはこちらで検索できますので、一度試してみてください。

都市再生街区基本調査及び都市部官民境界基本調査の成果の提供システム

※ 上記リンクより検索したい地点をクリックまたは画面右にある住所検索タブより検索し、表示項目選択タブ中の『都市再生街区基本調査に関する成果』の「公図と現況のずれ」にチェックを入れると表示されます。
100年以上も前の明治時代の古い調査のままになっている場所が7割にも及ぶ