住宅のBELS評価制度が流行らないのは?

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BELS評価をご存知でしょうか。

約5年前の2014年4月に始まった制度で「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称で、「ベルス」と読みます。

BELSは、国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示のガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」に基づく第三者認証制度の一つで、(一社)住宅性能評価・表示協会が制度運営しており、BELS実施機関として登録した評価機関が省エネルギー性能を評価し5段階の星マークで表示しております。

これにより建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律に基づいた同じ計算方法で一次エネルギー消費量を算定、消費者にとって建物の「燃費」を横並びに比較できるようになりました。

2016年4月に住宅版も開始され、当社ハウスジーメンではこのタイミングでBELS実施機関として登録しました。

ここで一気に利用が広まると思われましたが・・・

住宅用途のBELS発行件数は、2016年度17,108件、2017年度31,604件、2018年度24,187件と2年目までは順調に伸びておりましたが3年目でトーンダウンし、本年4月現在累計で74,042件(当社の累計は約2,000件)となっております。

(一社)住宅性能評価・表示協会の事例紹介ページで確認できます。

BELS - BELS事例紹介

 

この事例紹介ページで事業者は、アピールポイントを記載する事ができるのですが、特定の事業者しか活用していない様子です。
実際には、一般の方がこのサイトを見ているとは考えにくく、活用の仕方が難しそうです。

■ 都道府県ごとのBELS評価書交付件数 
(出所:『一般社団法人性能評価・表示協会』よりハウスジーメンにて作成)

都道府県別のBELS評価書交付件数を見ると断然トップで愛知県です。続いて埼玉県と大阪府、静岡県、神奈川県、兵庫県、東京都と続きます。
これでお気付きの方もいるかもしれませんが、5月に特集したZEHの地域別普及状況と類似しております。

  1. ZEHに取り組むような省エネ系に意識の高い事業者が利用している
  2. ZEHの補助金申請手続きにBELS評価書を利用している
  3. ZEHの補助金額が年々減っているので利用者が少なくなってきた

と本来のBELSの目的(建築物省エネ法による)である「住宅事業建築主その他建築物の販売又は賃貸を行う事業者は、エネルギー消費性能の表示をするよう努めなければならない」とは関係無く動いていると考えられます。

確かに、事業者が率先してBELSを取得して、エネルギー消費性能の見える化を通じて消費者へ・・・というのは先にあげた省エネ系の意識が高い事業者に限ることのようです。
フラットの金利引き下げやZEHや地域グリーン化事業などの補助金、最近スタートした次世代住宅ポイント制度でもBELS評価書の活用は広まっているとはいえ、広く普及していくためには更に目に見えるメリットが無いと険しい道のりと言わざるとえないでしょう。

建築物省エネ法の改正

そんな中、本年5月17日に建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律の一部を改正する法律が公布されたのをご存知でしょうか。
今回の改正内容では6ヶ月施行と2年施行の2つに大きく分かれており、住宅関係で大きな内容は2つあります。

ちなみに、以前にホットニュースでお伝えした内容が具体的になってきたという事です。

どうなる省エネ住宅 ~省エネ基準が義務化されない訳~
2014年に閣議決定された【エネルギー基本計画】では、「2020年までに新築住宅・建築物について段階的に省エネルギー基準への適合を義務化する」という方針を掲げて工程表が示され、当時話題になりました。2019年と残り1年となった今どうなっているのでしょうか。

一つ目は、小規模(延べ面積300㎡未満)住宅を新築する際に設計者から建築主への省エネ性能に関する説明義務化ですが、2年以内施行ということで少し先になります。

二つ目は、大手住宅事業者の供給する住宅へのトップランナー制度の全面展開として、今までの建売戸建住宅を年間150棟以上供給する大手住宅事業者(約60社)に加え、注文戸建住宅を年間300棟以上(約70社)、賃貸アパートを1000戸以上(約10社)供給する大手住宅事業者にトップランナー基準(省エネ基準を上回る基準)に適合する住宅を供給する責務を課し、国による勧告・命令等により実効性を担保するというのが6ヶ月施行で11月から開始されます。

このトップランナー制度対象の棟数設定(事業者の規模)は、おおよそ住宅着工の半分を想定しているようです。上記の社数で半分になるという事実もまた凄いですよね。

これら2つの内容により、更に省エネの関心度が上がり、折角なので何かしらの証明書があった方が良い、という流れからBELSの利用も伸びるポテンシャルはあると考えます。

内容はハードル高いの?

さて、BELSの話に戻しましょう、BELS住宅で評価し、表示される性能は、建物外皮性能と一次エネルギー消費量の2つです。
設計した一次エネルギー消費量が基準となる消費量からどれだけ削減できているかを数値で表し、数値に応じて5段階の星マークで表示します。
星マーク2つからが新築の省エネ基準に該当し、星マーク3つは誘導基準、星マーク5つが最高となります。
再生可能エネルギー(太陽光発電など)を除いて一次エネルギー消費量が20%削減もしくは、再生可能エネルギーを含んで一次エネルギー消費量が100%削減できる住宅は、「ゼロエネ相当」と表示し、外皮性能も強化した基準値をクリアするとZEHマークを表示できます。

文章だけで説明するのは案外難しいので、解説付きのBELSプレートサンプルを載せておきます。

■ BELSプレートサンプル(出所:『一般社団法人性能評価・表示協会』よりハウスジーメンにて作成)

BELSで評価し、表示する性能は、一次エネルギー消費性能と外皮断熱性能

外皮性能の計算は2013年に熱損失係数(Q値)から外皮平均熱貫流率(UA値)に変わった時の計算方法と同じで、一次エネルギー消費量とは冷暖房や給湯、照明、換気などの設備で消費する電気やガスを石油や石炭などの一次エネルギーに換算した消費量です。

何れもBELS評価だけの計算方法ではなく省エネ基準の計算結果を分かり易く表示しているだけなので特別難しくはありません。

基準の詳しい内容や計算方法は先程も紹介した(一社)住宅性能評価・表示協会でご確認ください。

建築物省エネルギー性能表示制度とは | 建築物省エネルギー性能表示制度について | 一般社団法人 住宅性能評価・表示協会
国庫補助関連事業の年度別一覧ページです。

と、BELSに関して記事を書こうと思っては見たものの、正直それ程書くことが無いですね・・・今後に期待しましょう。

〔 筆者:ハウスジーメン 審査部長 道下佳紀 〕

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ハウスジーメン BELS評価についてはこちら

ZEHの考え方について

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)などの省エネ住宅について ~いろいろありすぎてわけがわからない省エネ住宅を整理する~
省エネ性に特化した住宅、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギーハウス)。国は、2030年までに新築住宅の平均半数以上のZEH化を目標としており、現在、環境省・経済産業省・国土交通省の3省がそれぞれに補助金制度等を設け、この制度を推進しています。しかし、3省が独自に基準を設けているため、どの制度を使えばよいのか迷ってしまいます。今回はそれぞれの内容について詳しく整理していきます。

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